精密板金加工コラム

精密板金加工|溶接強度は“条件”で決まる

― 破壊テストと溶け込み確認で品質を保証する ― 
 
精密板金加工において、溶接強度は製品の信頼性を左右する重要な要素です。 
 
外観がきれいでも、 
ビードが整っていても、 
それだけで「強度が出ている」とは言えません。 
 
溶接は条件が命。 
 
今回は、溶接強度を確保するために当社が行っている 
・溶接条件の決定方法 
・破壊テストの実施 
・溶け込み確認 
について解説します。 


溶接についての記事は下記からご覧ください↓ 
ファイバーレーザー溶接のメリットとデメリット | 次世代の高効率溶接技術 
半自動溶接のメリットとデメリット |大量生産に適した溶接方法  
YAG溶接のメリットとデメリット | 精密板金加工に適したレーザー溶接 
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精密板金加工|溶接スパッタの発生原因と悪影響

溶接強度とは何か? 
 

溶接強度とは、 
母材と溶接部が一体化し、設計通りの荷重に耐えられる性能のことです。 
精密板金加工では、 
破壊強度 
せん断強度 
曲げ強度 
疲労強度 
など、用途に応じた強度設計が求められます。 
特に筐体・フレーム・ブラケットなどは、 
構造部品としての信頼性が重要です。 
 

溶接強度

溶接は「条件」で決まる 
 

溶接強度を左右する主な条件は以下です。 
① 電流・電圧設定 
 
高すぎても低すぎても不適切。 
板厚・材質に応じた最適値が必要です。 
② ワイヤ送給速度 
 
電流とのバランスが崩れると、 
溶け込み不足や過溶融が発生します。 
③ 溶接速度 
 
速すぎれば溶け込み不足。 
遅すぎれば歪み・焼け過ぎの原因になります。 
④ 母材の材質・板厚 
SPCC、SECC、ステンレスなど、 
材質が変われば条件も変わります。 
精密板金加工では、 
材料ロットや板厚差まで考慮する必要があります。 
 

当社が行う「破壊テスト」 
 

溶接条件を決定する際、 
机上の計算だけでは終わりません。 
実際に溶接した試験片を用い、 
✔ 破壊試験 
✔ 曲げ試験 
✔ 剥離試験 
などの破壊テストを実施します。 
重要なのは、 
「溶接部が破断するのか」 
それとも 
「母材側が破断するのか」。 
理想は、母材側が先に破断する状態。 
これが、十分な溶接強度が確保されている目安になります。 
 

溶け込み確認の重要性 
 

溶接強度を語る上で欠かせないのが 
溶け込み深さの確認です。 
外観だけでは、内部の融合状態は分かりません。 
そのため、 
マクロ断面確認 
切断研磨による溶け込み測定 
を行い、実際の溶け込み状態を確認します。 
溶け込み不足は、 
・強度不足 
・疲労破壊 
・振動割れ 
の原因になります。 
精密板金加工では、 
“見えない部分”こそ管理対象です。 
 

数値管理+現場感覚 
 

当社では、 
・溶接条件のデータ化 
・材料別標準条件表の作成 
・定期的な条件見直し 
を行っています。 
しかし最終的に重要なのは、 
作業者の観察力です。 
アーク音の変化 
溶融池の広がり 
ビードの張り 
これらを総合的に判断し、 
微調整を行います。 
 

溶接強度で会社の実力が分かる 
 

精密板金加工を依頼する際、 
✔ 破壊試験を実施しているか 
✔ 溶け込み確認を行っているか 
✔ 条件が標準化されているか 
ここは重要な判断基準です。 
設備が新しいだけでは、 
溶接強度は保証できません。 
工程設計と検証体制があってこそ、 
安定した品質が実現します。 

溶接強度は偶然では生まれません。 
最適な溶接条件設定 
破壊テストによる裏付け 
溶け込み確認による検証 
これらを積み重ねることで、 
初めて信頼できる製品になります。 
精密板金加工において、 
図面通り+強度保証まで責任を持つこと。 
それが、私たちの使命です。 
 
 

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