SECCでも錆びる?その原因と注意点 |メッキの限界を理解することが材料選定のカギ
前回のコラムでは、SPCCが錆びる理由と対策について解説しました。
では、
防錆性があるSECCは錆びないのか?
結論から言うと、
SECCでも条件によっては錆びます。
今回は、
メッキの限界
加工時の注意点
保管管理
という視点から、SECCの正しい扱い方を解説します。
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SECCとは改めて何か?
SECCは、SPCCに電気亜鉛メッキを施した材料です。
この亜鉛メッキが、
鉄の表面を保護する
錆びの進行を抑える
役割を持っています。
しかし重要なのは、
**「錆びない材料」ではなく「錆びにくくした材料」**という点です。
メッキの限界とは
① メッキは万能ではない
亜鉛メッキは防錆効果がありますが、
メッキが薄い
局所的にダメージを受ける
と、そこから錆びが発生します。
② 犠牲防食にも限界がある
亜鉛は鉄より先に腐食することで、
鉄を守る「犠牲防食」という働きをします。
しかし、
長期間の使用
厳しい環境(湿気・塩分)
では、メッキ自体が消耗し、
最終的には鉄が露出して錆びます。
加工時に起こるリスク
SECCは加工によって、
防錆性能が低下することがあります。
① 曲げ加工によるメッキダメージ
曲げ部では、
メッキの伸び
微細なクラック(ひび)
が発生することがあります。
ここから錆びが進行する可能性があります。
② 切断面(切り口)の露出
レーザー加工や打ち抜き加工では、
切断面はメッキされていない鉄の状態になります。
つまり、
→そこが最も錆びやすいポイント
になります。
③ 溶接によるメッキ消失
溶接部では、
メッキが焼ける
保護層が失われる
ため、
そのままでは防錆性が低下します。
保管管理の重要性
SECCでも、保管状態によっては錆びます。
① 湿気・結露
高湿度環境
温度差による結露
により、メッキ表面でも腐食が進むことがあります。
② 重ね置き・密閉状態
材料同士が密着した状態で保管すると、
水分が逃げにくい
局所的に腐食が進行
することがあります。
③ 長期保管
SECCは時間とともに、
表面の変色
メッキの劣化
が進みます。
→長期保管には適していない材料とも言えます。
SECCを使うときの注意点
SECCを使用する際は、
✔ 切断面の防錆対策
✔ 溶接部の処理(塗装・補修)
✔ 曲げ部の確認
✔ 保管環境の管理
が重要です。
「メッキされているから安心」ではなく、
弱点を理解して使うことが品質につながります。
SPCCとの正しい使い分け
ここまで理解すると、材料選定の考え方が変わります。
SPCC:処理前提で使う
SECC:防錆を活かして使う
ただしSECCも、
→加工後は完全ではない
という前提で考える必要があります。
SECCは防錆性を持つ優れた材料ですが、
決して「錆びない材料」ではありません。
メッキの限界
加工による影響
保管環境
これらによって錆びは発生します。
精密板金加工では、
材料の特性を正しく理解し、
適切に扱うことが品質につながります。
次回予告
材料を理解した上で重要になるのが、
加工方法との組み合わせです。
次回は、
「材料によって加工方法を変える理由」
をテーマに、
曲げ
溶接
カシメ
などの使い分けについて解説します。
精密板金加工における
「図面通り+α」の本質に迫ります。
