材料によって加工方法を変える理由|「図面通り+α」が品質を決める
これまでのコラムで、
SPCCとSECCの違い
錆びの発生メカニズム
材料ごとの特性
について解説してきました。
では次のステップです。
→「同じ形状でも、材料によって加工方法は変えるべきか?」
結論は、
変えるべきです。
精密板金加工においては、
図面通りに作るだけでは不十分です。
材料特性を踏まえた
“最適な加工方法の選定”=図面通り+α
が品質を左右します。
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曲げ加工の使い分け
● 材料による違い
例えば、
SPCC:延性が高く、比較的曲げやすい
SECC:メッキ層があるため、曲げでクラックが発生しやすい
● 現場での判断
そのため現場では、
✔ V幅の選定を変える
✔ 曲げRを調整する
✔ 板目方向を考慮する
といった調整を行います。
● 重要ポイント
→「曲げられる」ではなく「品質を保って曲げる」
これがプロの判断です。
■ 溶接の使い分け
● 材料による違い
SPCC:溶接性が良い
SECC:メッキが焼ける・ヒュームが発生
● 現場での判断
✔ 溶接条件の調整
✔ 前処理(メッキ除去)
✔ 溶接後の防錆処理
を組み合わせます。
● 重要ポイント
→溶接=くっつける作業ではない
→溶接後の品質まで含めて設計する
カシメ(圧入・締結)の使い分け
● 材料による違い
カシメは、
材料の硬さ
板厚
によって仕上がりが大きく変わります。
● 現場での判断
✔ 加圧条件の調整
✔ 使用部品の選定
✔ 割れ・変形の確認
を行います。
● 重要ポイント
→締結強度と外観の両立が必要
特に精密板金では、
見た目の品質も重要です。
実は一番重要な「組み合わせの設計」
ここが一番伝えたいポイントです。
精密板金加工では、
材料
加工方法
順番(工程)
をセットで考えます。
● 例えば
先に曲げるか、後で曲げるか
溶接を先にするか、後にするか
表面処理のタイミング
これによって、
→精度・強度・外観が大きく変わる
「図面通り+α」とは何か
図面には、
形状
寸法
は記載されていますが、
→最適な加工方法までは書かれていない
ことがほとんどです。
だからこそ、
✔ 材料特性を理解する
✔ 加工方法を選定する
✔ 品質を成立させる
この“+α”が必要になります。
材料によって加工方法を変える理由はシンプルです。
→ 同じ加工では品質が成立しないから
精密板金加工では、
材料特性
加工方法
工程設計
を組み合わせることで、
初めて高品質な製品が完成します。
