SPCCがサビる理由と対策|錆びやすい材料をどう扱うかで品質が変わる
精密板金加工で広く使われている材料のひとつに、**SPCC(冷間圧延鋼板)**があります。
加工性が良くコストも安いため、多くの製品に使用されていますが、
一方でよく聞かれるのが
「SPCCは錆びやすい」
という点です。
なぜSPCCは錆びるのか。
そして、どう対策すればよいのか。
今回は現場視点で解説します。
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精密板金加工で使われる金属の種類と用途
SPCCとSECCの違いとは?|材料選定で品質とコストが変わる理由
SPCCがサビる理由
① 表面処理がされていない「素の鉄」
SPCCは、表面にメッキやコーティングがない状態の鉄です。
鉄は空気中の
酸素
水分
と反応して酸化(=錆び)します。
つまりSPCCは、
何も守られていない状態の材料ということです。
② 湿気・結露による影響
日本のように湿度が高い環境では、
梅雨
冬場の結露
温度差による水分付着
によって、錆びが発生しやすくなります。
特に保管状態が悪いと、
短期間でも錆びが発生します。
③ 指紋・油分による腐食
意外と多いのがこれです。
人の手に付着している
汗
塩分
油分
がSPCCに付着すると、
そこから局所的に錆びが進行します。
④ 加工後の保護不足
レーザー加工や曲げ加工後に、
保護をしない
放置する
と、加工面から錆びが発生することがあります。

SPCCの錆び対策
① 表面処理を行う
最も確実なのがこれです。
塗装
メッキ
黒皮処理
防錆油塗布
用途に応じて選択します。
→ 「錆びる前提」で処理をするのが基本です。
② 保管環境の管理
現場では、
湿度管理
直置き防止
密閉保管
を徹底しています。
特に梅雨時期は、
保管方法で品質が大きく変わります。
③ 手袋着用の徹底
作業時には、
✔ 素手で触らない
✔ 手袋を使用する
これだけでも、錆びの発生リスクは大きく下がります。
④ 工程間の時間管理
加工後すぐに
塗装工程へ
表面処理へ
とつなげることで、錆びの発生を防ぎます。
→ 放置時間を作らないことが重要です。
SPCCを使うべきか?という判断
SPCCは錆びやすいですが、
加工性が良い
コストが安い
汎用性が高い
という大きなメリットがあります。
そのため、
✔ 表面処理前提
✔ 屋内使用
✔ コスト重視
といった条件では、非常に有効な材料です。
SECCとの使い分けも重要
前回のコラムで紹介したSECCは、
亜鉛メッキによって防錆性を持っています。
つまり、
錆び対策が必要 → SPCC+処理
最初から防錆 → SECC
という考え方で使い分けることが重要です。
SPCCが錆びる理由はシンプルです。
→「表面処理されていない鉄だから」
しかし、
保管
取り扱い
表面処理
を適切に行えば、
品質を維持することは十分可能です。
精密板金加工では、
こうした材料特性を理解し、
最適な使い方をすることが求められます。
次回コラム予告
次回は、
「SECCでも錆びる?その原因と注意点」
をテーマに、
メッキの限界
加工時の注意点
保管管理
について解説します。
材料の理解を深めることで、
より適切な選定ができるようになります。