SUS材とは?| ステンレス鋼の特徴と使い分け
精密板金加工で使用される材料の中でも、
「SUS(ステンレス)」は非常に重要な存在です。
鉄系材料でありながら、錆びにくいという特性を持ち、
医療機器・食品機器・屋外製品など、幅広い分野で使用されています。
今回は、
・SUSとは何か
・主な種類と違い
・使い分けのポイント
を分かりやすく解説します。
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SUSとは?
SUSとは「ステンレス鋼(Stainless Steel)」のことです。
鉄にクロム(Cr)を約10.5%以上添加することで、
表面に「不動態皮膜」と呼ばれる保護膜が形成され、
錆びにくい性質を持ちます。
→ ポイント
“錆びない”ではなく、“錆びにくい”材料
SUSの主な種類
ステンレスは大きく3つに分かれます。
SUS304(最も一般的)
特徴
・耐食性が高い
・加工性が良い
・非磁性(磁石につかない)
用途
・精密板金部品
・食品機器
・医療機器
→迷ったらこれ(標準材)
SUS430(コスト重視)
特徴
・磁性あり(磁石につく)
・耐食性はやや劣る
・価格が安い
用途
・家電部品
・内装部品
→コストを抑えたいとき
SUS316(高耐食)
特徴
・耐食性が非常に高い(塩害に強い)
・価格が高い
用途
・沿岸設備
・医療・薬品関係
→ 過酷環境向け
SUSの特徴(板金目線)
メリット
・錆びにくい
・強度が高い
・見た目がきれい(ヘアライン・鏡面など)
デメリット
・加工が難しい(硬い・バネ戻り大)
・工具摩耗が激しい
・コストが高い
精密板金での使い分け
◎ SUS304
→ 外観部品・筐体・一般用途
◎ SUS430
→ 見えない部分・コスト重視部品
◎ SUS316
→ 屋外・薬品・水回り
加工時の注意点
・曲げ加工 → バネ戻りが大きい(補正必須)
・レーザー加工 → 熱影響で変色しやすい
・溶接 → 焼け取り・酸洗いが必要
・キズ → 非常に目立つ
→「鉄と同じ感覚」で扱うと失敗する材料
よくある誤解
「ステンレス=錆びない」
実際には、
・塩分
・傷
・異種金属接触
などにより錆びることがあります。
→ 正しくは
“条件によっては錆びる”材料
SUS材は、性能とコストのバランスを見極めて使うことが重要です。
SUS304:バランス型(標準)
SUS430:コスト重視
SUS316:高耐食
→用途に応じた選定が品質を左右します
