SPCCとSPHCの違いとは?|冷間材と熱間材の違いを理解する
精密板金加工で使われる鉄材料には、
SPCCとSPHCがあります。
どちらも同じ「鉄」ですが、
実は製造方法が大きく異なり、
その違いが加工性や用途に影響します。
今回は、
SPCCとSPHCの違い
特性の違い
使い分けのポイント
を分かりやすく解説します。
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SPCCとは(冷間圧延鋼板)
SPHCとは(熱間圧延鋼板)
SPHCは、**熱間圧延鋼板(ホット材)**です。
高温で圧延して作られるため、
特徴
表面に黒皮(スケール)がある
寸法精度はやや粗い
材料コストが安い
主に構造部材などで使われます。
SPCCとSPHCの違いを比較
項目 | SPCC | SPHC |
| 製造方法 | 冷間圧延 | 熱感圧延 |
| 表面 | きれい | 黒皮あり(ザラつき) |
| 精度 | 高い | やや低い |
| 加工性 | 良い | やや劣る |
| コスト | やや高い | 安い |
| 主な用途 | 精密部品・筐体 | 構造部品・厚物 |
なぜ違いが出るのか?
一番の違いは「温度」です。
SPCC:常温で圧延 → 仕上がりが精密
SPHC:高温で圧延 → 材料内部のばらつきが出やすい
また、SPHCは冷却時に酸化し、
表面に**黒皮(酸化スケール)**が形成されます。
これが見た目や加工性の違いにつながります。
■ 精密板金加工での使い分け
◎ SPCCを使うケース
外観品質が重要
精度が求められる
曲げ・穴加工が多い
→精密板金加工の主役材料
◎ SPHCを使うケース
強度重視
厚板加工
コスト重視
→ 構造用途・ベース部材向け
加工時の注意点
SPCCの場合
錆びやすい(防錆必要)
表面キズに注意
SPHCの場合
黒皮の影響で溶接品質にばらつき
塗装前処理が必要(酸洗いなど)
精度管理が難しい
見た目だけで判断すると危険
現場ではよくあるのが、
「どっちも鉄だから同じでいい」
という判断です。
しかし実際は、
→加工方法も仕上がりも変わる材料
です。
特に精密板金加工では、
曲げ精度
穴位置精度
外観品質
に大きく影響します。
SPCCとSPHCの違いはシンプルです。
SPCC:精度・外観・加工性重視
SPHC:コスト・強度重視
重要なのは、
→用途に応じて使い分けること
です。
材料選定ひとつで、
製品品質は大きく変わります。
