SUSの種類とは?
― ステンレス鋼の違いと選び方 ―
精密板金加工で使用される「SUS(ステンレス)」には、
実はさまざまな種類があります。
「どれも同じステンレスでしょ?」
と思われがちですが、種類によって、
耐食性
強度
加工性
磁性
コスト
が大きく異なります。
今回は、現場でよく使われるSUS材の種類と特徴を分かりやすく解説します。
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SUS材とは?| ステンレス鋼の特徴と使い分け
SUS材は大きく3種類に分かれる
ステンレスは主に、
オーステナイト系
フェライト系
マルテンサイト系
に分類されます。
精密板金加工では、主に
**オーステナイト系(SUS304など)**と
**フェライト系(SUS430など)**が使われます。
SUS304(最も一般的)
特徴
耐食性が高い
加工性が良い
溶接性が良い
磁石につきにくい
主な用途
精密板金部品
食品機器
医療機器
筐体・カバー
→「迷ったらSUS304」と言われる標準材です。
SUS430(コスト重視)
特徴
磁石につく
SUS304より安価
耐食性はやや低い
主な用途
家電部品
内装部品
見えない部分
→コストを抑えたい場合に使用されます。
SUS316(高耐食タイプ)
特徴
SUS304よりさらに錆びに強い
塩害・薬品に強い
価格が高い
主な用途
医療関係
化学設備
海沿い設備
屋外環境
→過酷環境向けの高性能ステンレスです。
SUS301(バネ性重視)
特徴
強度が高い
バネ特性がある
加工硬化しやすい
主な用途
バネ部品
クリップ
精密機構部品
→「しなる」「戻る」が必要な部品向け。
SUS種類別 比較表
種類 | 特徴 | 磁性 | コスト | 主な用途 |
SUS304 | バランス型 | ほぼなし | 標準 | 精密板金全般 |
SUS430 | コスト重視 | あり | 安い | 家電・内装 |
SUS316 | 高耐食 | ほぼなし | 高い | 医療・沿岸 |
SUS301 | 高強度 | ややあり | やや高い | バネ部品 |
なぜ種類を使い分けるのか?
同じSUSでも、
使用環境によって求められる性能が違うためです。
例えば、
屋外 → 耐食性重視
精密部品 → 加工性重視
コスト重視 → 安価材
バネ性必要 → 高強度材
など、目的によって最適材は変わります。
加工現場での注意点
SUS材は種類によって加工条件も変わります。
SUS304
バネ戻りが大きい
SUS430
割れに注意
SUS301
非常に硬くなる
金型負荷が高い
→「全部同じ条件」で加工すると不良原因になります。
よくある誤解
「SUSなら全部錆びない」
実際は、
使用環境
表面状態
材質種類
によって耐食性は大きく変わります。
特にSUS430は、環境によっては錆びやすくなるため注意が必要です。
SUS材は、種類によって性能が大きく異なります。
SUS304 → 標準タイプ
SUS430 → コスト重視
SUS316 → 高耐食
SUS301 → 高強度・バネ性
重要なのは、
→「用途に合わせて選定すること」です。
材料選定は、製品品質・加工性・コストに直結する重要なポイントです。
