同じ図面でも、なぜ加工方法で品質が変わるのか|― スポット溶接・カシメ・成形補正に見る「図面通り+α」 ―
精密板金加工では、
同じ図面を使っても、仕上がりの品質に差が出ることがあります。
寸法も形状も、図面上は同じ。
それでも、
・組み立てやすさ
・歪みの出方
・外観
・長期使用時の安定性
に違いが生まれる。
その大きな要因のひとつが、加工方法の選択です。
今回は、
スポット溶接・カシメ・成形/補正工程という代表的な手法を例に、
なぜ品質が変わるのかを現場視点で解説します。
図面は「完成形」、加工方法は「品質を決める要素」
図面には、完成形が示されています。
しかし、そこに至るまでの加工プロセスは、
すべてが細かく指定されているわけではありません。
つまり、
加工会社側の判断が品質を左右する余地がある、ということです。
この判断力こそが、
精密板金加工における「図面通り+α」の部分になります。

スポット溶接|強度と量産性を重視する選択
スポット溶接は、
接合強度を確保したい
外観をすっきり仕上げたい
量産での安定性を重視したい
といった場面で有効な加工方法です。
一方で、
熱による歪み
材料の薄肉化による影響
といった点には注意が必要です。
同じ図面でも、
溶接点の配置や順序を誤ると、
精度や外観に影響が出ることがあります。
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スポット溶接とは?|精密板金加工で欠かせない接合技術をわかりやすく解説
カシメ|歪みを抑え、構造で品質をつくる
カシメは、
熱を加えたくない
異種材を組み合わせたい
歪みを最小限に抑えたい
といったケースで選ばれます。
図面上は単純な接合でも、
製品の使われ方や精度要求を考えると、
カシメ構造の方が適している場合も少なくありません。
加工方法を変えるだけで、
歪みの出方や組み立て性が大きく改善する。
これも、図面通り+αの判断です。
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精密板金におけるカシメ加工 |ネジや溶接に代わる確実な接合技術
成形・補正工程|最後に品質を決める「現場力」
どれだけ設備で精度を出しても、
最終的な微調整が必要になるケースはあります。
成形後に出るわずかな歪み
組付け時に生じるズレ
見た目の違和感
当社では、
フットプレスなどを用いた成形・補正工程を組み合わせ、
最終的な品質を整えることを重視しています。
これは、効率を下げるための工程ではありません。
図面通りの品質を、安定して実現するための工程です。
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【図面通り+α】精密板金加工が本当に目指す品質とは
精密板金加工を依頼する際、どこを見るべきか
加工会社を選ぶ際、
設備や価格だけで判断されることも多いかもしれません。
しかし本当に見るべきなのは、
加工方法をどう選んでいるか
なぜその工法なのかを説明できるか
歪みや精度にどう向き合っているか
といった考え方と姿勢です。
同じ図面でも品質が変わる理由は、
そこにあります。
次につながる話|要求品質が高い分野ほど「+α」が効く
近年、
製品にはより高い精度・軽量化・安定性が求められるようになっています。
こうした要求は、
医療機器や産業機器だけでなく、
今後さらに品質要求が高まる分野にも共通しています。
加工方法を選び、
工程を組み立て、
最後まで責任を持って仕上げる。
この「図面通り+α」の考え方こそが、
次の分野へ対応していくための土台になります。