精密板金加工コラム

精密板金加工における|スポット溶接とカシメの使い分けポイント【設計・現場編】

精密板金加工では、 
「スポット溶接とカシメ、どちらを選ぶべきか?」 
という判断が、品質・コスト・量産性を大きく左右します。 
 
前回は、それぞれの違いを解説しました。 
今回は一歩踏み込み、実際の設計・製造現場での使い分け方を整理します。 
まず大前提:正解はひとつではない 
 
スポット溶接とカシメは、 
「どちらが優れているか」ではなく 
**「製品条件に合っているか」**が重要です。 
 
使い分けの判断軸は、大きく分けて以下の5つです。 

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精密板金加工における|スポット溶接とカシメの違いとは?
 

① 強度を最優先するなら「スポット溶接」 
 

構造強度が必要な部品や、 
外力・振動が加わる箇所では、スポット溶接が有利です。 
 
スポット溶接が向いているケース 
 
フレーム・筐体の骨組み 
 
機械内部の構造部品 
 
鉄×鉄、ステンレス×ステンレスの接合 
 
金属を溶かして一体化させるため、 
高い接合強度と安定性が得られます。 
 

スポット溶接とカシメ選択

② 歪み・熱影響を避けたいなら「カシメ」 
 

精密板金では、歪み=不良につながるケースも多くあります。 
熱を使わないカシメは、寸法精度や外観を重視する製品に有効です。 
 
カシメが向いているケース 
 
外装部品・カバー類 
 
薄板部品 
 
精度が厳しい製品 
 
特に、塗装前後の工程を考慮すると、 
熱影響のない接合は大きなメリットになります。 
 

③ 異種材料を接合するなら「カシメ」 
 

スポット溶接は、基本的に同種金属向きです。 
一方カシメは、異種材料の接合にも対応できます。 
 
例 
 
アルミ × 鉄 
 
アルミ × ステンレス 
 
板金 × ナット(圧入ナット) 
 
材料の組み合わせ自由度が高いため、 
設計の選択肢を広げられるのがカシメの強みです。 
 

④ 量産性・作業効率で見ると? 
 

観点     スポット溶接     カシメ 
量産性      ◎         ◎ 
条件管理     必須       比較的安定 
作業者依存   ややあり      少なめ 
 
どちらも量産対応可能ですが、 
スポット溶接は条件設定・電極管理が重要。 
カシメは比較的安定した品質を出しやすい工法です。 
 
 

⑤ 精密板金加工では「併用」が最適解になることも 
  

実際の精密板金加工では、 
1製品の中で両方を使い分けるケースも多くあります。 
 
例 
 
構造部 → スポット溶接 
 
取付部・ナット固定 → カシメ 
 
工程全体を見て最適化することが、 
品質とコストの両立につながります。 
 

加工会社選定で重要な視点 
 

スポット溶接とカシメを正しく使い分けるには、 
設計意図を理解し、提案できる加工会社が不可欠です。 
 
溶接・カシメ両方の実績があるか 
 
材質・板厚ごとのノウハウがあるか 
 
試作段階で工法提案ができるか 
 
ここに、精密板金加工業者の「技術力の差」が表れます。 
 

使い分けが精密板金の品質を決める

スポット溶接とカシメは、   
目的・条件・未来の工程を考えて使い分ける技術です。   
   
強度 → スポット溶接   
   
精度・異材 → カシメ   
   
製品全体 → 併用   
   
この視点を持つことで、   
精密板金加工の品質は一段階上がります。   
 

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