アルミの比重とは?|精密板金加工で知っておきたい素材選定のポイント
アルミ(アルミニウム)の比重は 約2.7。
これは鉄(約7.9)や銅(約8.9)に比べてアルミの比重は 約3分の1の重さ しかないことを意味します。
「比重」とは、水の重さを1としたときのその物質の重さの比で、
数字が小さいほど“軽い金属”ということになります。
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ステンレスの比重とは?|強さと美しさを支える金属の基本知識
軽いだけじゃない!アルミの特徴
アルミは軽量でありながら、強度・加工性・耐食性に優れた金属です。
精密板金加工の現場では、次のような点で選ばれることが多い素材です。
・ 輸送機器や筐体などの軽量化が可能
・ 耐食性が高く、表面処理(アルマイトなど)で美観も維持しやすい
・ 熱伝導性・電気伝導性が高く、放熱板などにも適している
・ リサイクル性が高く、環境負荷の少ない材料

アルミの 比重の違いがもたらす設計・加工への影響
比重が軽い=「同じ体積でも質量が小さい」ということ。
つまり、アルミを採用することで部品重量を大幅に軽減でき、
機器全体の軽量化や輸送コスト削減に繋がります。
一方で、軽い=柔らかいため、
ステンレスや鉄に比べて「反り」「歪み」「バリ」などの発生に注意が必要です。
弊社では、曲げ角度の補正や治具による保持など、
アルミ特有の性質を考慮した加工ノウハウを積み重ねています。
精密板金加工におけるアルミの活かし方
アルミは軽量かつ見た目が美しいため、
通信機器・医療機器・筐体カバーなど、幅広い業界で利用されています。
弊社でも、99.5%以上がアルミ成分(純アルミ)のA1050、
99%以上がアルミ成分(純アルミ)のA1100
アルミにマグネシウムを添加し、強度が高いA5052材の
板厚0.5mm〜3.0mm程度の薄板加工を中心に、
タップ・カシメ・曲げ・溶接などの一貫対応を行っています。
軽さは“ただの特徴”ではなく、
設計思想や生産性を変える“武器”にもなります。
まとめ:アルミの比重を知ることは「設計力」を高める第一歩
アルミの比重=軽さの価値を知ることで、
材料選定や加工方法に新しい発想が生まれます。
精密板金加工においても、軽量化+強度確保の両立を実現するために、
素材の特性を理解した上での設計・製造が重要です。
比重=素材の“性格”を知る指標です。
ステンレスの比重(約7.9)を理解することで、
強度・見た目・重量バランスを意識した設計が可能になります。
精密板金加工においても、
強さと美しさを両立する素材選びが、
製品価値を高める重要なポイントです。