精密板金加工コラム

精密板金におけるカシメ加工 |ネジや溶接に代わる確実な接合技術

精密板金の世界では、薄板同士をいかに正確かつ美しく接合するかが品質を左右します。 
その中で近年注目されているのが「カシメ加工」です。ネジや溶接を使わずに金属を圧着して固定する方法で、 
強度・精度・外観のいずれにおいても優れた特性を持っています。今回は、精密板金加工におけるカシメの役割とメリットについて詳しくご紹介します。 
 

カシメとは? 
 

カシメとは、2枚以上の金属板や部品を「塑性変形(そせいへんけい)」によって圧着し、一体化させる接合方法です。 
代表的なものに「ブラインドリベット」「セルフクリンチングファスナー(ナット・スタッドなど)」「圧入ピン」「ハイスピンカシメ」などがあり、製品用途や材質によって使い分けられます。 
 
カシメの大きな特長は、熱を加えないこと。溶接のように熱による歪みや変色が発生せず、薄板や小物部品の接合にも適しています。 
また、ネジ締結のように緩みの心配がないため、振動や衝撃のある機器にも多く採用されています。 
 

カシメ

精密板金におけるカシメのメリット 
 

精密板金では、寸法公差0.01mm単位での精度管理が求められることもあります。そのため、接合方法の選定は非常に重要です。 
カシメ加工は以下のような点で特に有効です。 
 
寸法精度の安定 
 機械的に圧着するため、位置ズレや歪みが少なく、後工程の組立精度にも優れます。 
 
外観品質の向上 
 溶接痕が出ないため、見た目がきれいに仕上がり、塗装やメッキ後の外観品質を維持できます。 
 
軽量化・小型化に貢献 
 ネジやナットを使用しないことで、部品点数を削減し、軽量化・コストダウンにもつながります。 
 
異種材接合にも対応可能 
 アルミとステンレス、銅と鉄など、異なる材質の組合せにも適しており、電食対策が必要な製品にも有効です。 
 

当社でのカシメ対応と品質管理 
 

当社では、精密板金加工の中でカシメを用いた組立を数多く行っています。 
セルフクリンチングナットやスペーサー、スタッド、圧入ピン、シャフト類など、多様なカシメ部品に対応し、 
 
また、材質や板厚によって適正な圧入条件を管理し、カシメ後の強度検査やねじ山の精度確認も社内で実施。 
協力会社との連携により、表面処理や塗装後の組立まで一貫対応が可能です。 
これにより、カシメ後の仕上がり寸法や機能を安定して保証し、医療機器や通信機器などの高精度部品にも多数採用されています。


カシメ加工は、精密板金製品の品質・耐久性を支える重要な接合技術です。 
熱をかけずに高い強度と美しい外観を両立できることから、設計自由度の高い製品づくりに欠かせません。 
当社では、試作から量産まで、用途や材質に応じた最適なカシメ方法をご提案し、図面段階からのご相談にも対応しております。 
 
精密板金におけるカシメ加工のことでお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 
 

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